お寺に行くと八角燈籠を見かけます。東大寺の八角燈籠などが有名で国宝にも指定されています。大仏殿の前にあり、大仏のほうが有名なのでこちらに注目している人はあまりいないかもしれませんが、大仏殿と同じく平安時代に作られたものです。
この燈籠の四方に錠前がかかっています。この錠前も平安時代からの形をそのままに修復されているそうです。
同じような燈籠は高野山の根本大塔や奥の院などでもみることができます。
それから東京の高幡不動。高幡不動のものは錠前は模造品になってしまっているようです。東京の根津美術館には移設された八角燈籠があります。こちらの錠前は東大寺と同じ型の古いものだということがわかります。
八角燈籠の八面の火袋の窓は羽目板になっています。そしてそのうちの四面に浮き彫りで菩薩像などが掘られています。東大寺のものだと音声菩薩という菩薩が浮き彫りになっています。笙や横笛、尺八などの楽器をそれぞれ奏でています。半彫なのにとても立体的で奥行きがあるようですから、当時の職人の技術の高さがうかがえます。
東大寺の八角燈籠は12世紀後半に平家の軍勢によって火が放たれても、戦国時代に兵火にかかっても火の海にたえて現存しているそうです。
火袋に火をいれて燈籠として使用するために作られました。錠前はその火を守るためのものという役割があるのでしょうか。
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