神社でよく利用されている「双竜型錠」。神社巡りが好きな人だったりすると目にしたことがあるかもしれません。この「双竜型錠」の原型をたどると朝鮮の高麗時代まで遡ることができるということです。
高麗時代には弦部という今でいうカンヌキの両側に蓮の蕾で飾った「蓮の花型錠」が誕生しました。この錠前は大型の金銅製で統一新羅時代から蓄積された金属を加工する技術によって精密な彫金が施されています。
この後に蓮の蕾に代わって竜の頭が外向きにむかってついた「双竜型錠」が誕生します。これも青銅に金鍍金されていて、宮殿などの建築物に使われていたものと考えられているそうです。
この後、双竜型錠は小型のものが生まれてさらに普及してくことになります。しかし、竜というのが王権を象徴したものであったことから使われる場所は限られていてあまり頻繁に使用されることはなかったということです。
この双竜型錠はやがて日本の鎌倉時代から室町時代にかけて伝来されます。これがモデルに成って日本でも双竜型錠が作られるようになりました。高麗では筒型の本体部分が長方形で唐草模様が彫金されていたり、無文になっていたのですが、日本のものは筒部に丸みがあり、竜のうろこの模様が彫金されています。
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