アンティークストアなどで調度品の錠前を見かけたことってありますか?古代の日本において貴族など身分の高い人が使っていた美しい調度品は現在でも京都御所などに保管されています。これらの調度品は有識や絵巻物などに記録が残っているので制作年代もだいたいわかっているそうです。
これらの調度品の中には錠前が使われているものもあります。こうした年代のわかっているものに使われている錠前を見ていくことで錠前の発展を知ることができそうです。
調度品の基本的な形が整ったのは平安時代のころです。大体10世紀の半ばくらいと言えます。宮廷を中心とした貴族たちによって型式はほとんど変化することなく伝えられていきました。
調度品自体は平安時代より前から使われていたものです。奈良の正倉院宝物にも各種の調度品があります。そしてさらには古墳時代まで遡ることができます。古墳時代の遺跡からの出土品にも調度品と思われるようなものが見つかっているのです。正倉院宝物としては赤漆灌木厨子や柿厨子などがあります。
現物が残っているものだけではなく、絵巻物からも当時の調度品がうかがい知れます。源氏物語絵巻でも二階厨子などがかかれていることがあります。
時代がくだり、室町時代になると公家調度から武家調度が生まれます。桃山時代にはさらに蒔絵が施されるようになって華美なものが生まれます。江戸時代にはこれに書棚が加わり、大名の娘などは嫁入り道具として持っていきます。これは現在の皇室まで続いていて、有識にもとづいて明治時代に複製された秘宝春草蒔絵棚などがあるそうです。
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